老師の死
 昨日スリヤンガがお見舞いに行ったお坊さんが、今朝6時頃亡くなったとの電話があった。70を過ぎていることを考えれば寿命と言えるだろう。でも、私たちが日本に行く前にも、「近くに用事があったから」と我が家に立ち寄り紅茶を飲んで帰ったことを思い出すと、「とてもお元気そうだったのに…」と残念に思う。

 スリヤンガにとっては、小さい頃お寺の日曜学校で仏教を教えてくれた先生でもある。実家から歩いて数分の場所にお寺があることもあって、とても身近なお坊さんで、仏教だけでなくいろいろなことを習った師であるという。

 スリヤンガがガイドになり、「子どもの時習ったことを基礎にして、日本人旅行者に仏教を説明している」と伝えたときには、本当に嬉しそうだった。日本からの老眼鏡のプレゼントにもとても喜んでいた。私たちの結婚式のときには、お坊さんは結婚式に出席できないので、アンマに*ケーキだけ持ってきてくれるよう頼んでいたという。

 電話を受けて、スリヤンガはすぐに実家に戻った。葬儀に向けて、いろいろな準備をしなければならない。

 まずは遺体をゴールの病院に運び、エンバミング(防腐処置)してもらう。そして、お坊さんが最初にいたお寺がゴール近くにあるので、まずはそこに遺体を運ぶ。運ぶといっても、棺をトラクターにのせ、その前後に50台以上の車、バイク、トゥクトゥクが並び行列を作って移動するので大変だ。お坊さんの死は、個人の場合以上に公共性が高くなり、地域社会に知らせる必要があるし、葬儀は皆で受け持つ。

 とりあえずこの日は、一斉に関係者に死去を知らせ、夕方有志が集まり会議をして葬儀の日どりと役割分担を決めた。遺書に、葬儀はなるべく簡素に済ませるようにと書いてあったので、あまり日にちをあけずに葬儀は28日と決まった。通常、お坊さんだと1週間後くらいに行うらしい。

 とにかくやるべきことは多い。まず寺院内を掃き清め、遺体を安置する場所を飾りつけ用意し、弔問客の接待の準備する。また、死亡通知のポスターを貼ったり、お寺までの道のりに葬儀があることを知らせる旗を取り付けたりする。火葬する場所の前にゲートを作り、火葬場所を設置する作業も必要。

 これから、全国各地からお坊さんたちが数十人単位でやって来るし、そうなると滞在中の食事やお茶の接待もかなりの負担となる。今日は村の若者たちのほとんどが仕事でコロンボなど遠方に行っていて戻ってこれず、手が足りず大変だったらしい。葬儀まではバタバタしそうだ。

*結婚式に出席してくれた人やその家族に、ドライフルーツがぎっしり入った日持ちのする、ひと口サイズのケーキを配る習慣がある
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